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2006年6月23日 (金)

152.[Cool Side] 三角形の外心と垂心

三角形の五心の中でも外心と垂心をめぐる周辺には面白い性質がある。

(1) 垂心

三角形の垂心には次のような特徴がある。

     三角形の外心Oを原点とする位置ベクトルを考えるとき、三角形の全頂点の位置ベクトルの和は、垂心Hの位置ベクトルになる。

     三角形の外心O、重心G、垂心Hは一直線上にある。この直線を「オイラー線」と呼ぶ。すなわち、外心Oは、重心Gと垂心Hを結ぶ線分GH13に外分する。

     三角形の各辺の中点に関する垂心Hの対称点は外接円上にある。

     三角形の各辺[への垂足]に関する垂心Hの対称点は外接円上にある。

(2) 外接円の1/2変換と中接円

三角形の各辺の中点を通る円は、他に、各頂点と垂心を結ぶ線分の中点、各頂点から対辺に下ろした垂線の足をすべて通る。この円をここでは「中接円」と呼ぶことにする。中接円とは、一般に「九点円」もしくは「オイラー円」と呼ばれる円であるが、ここでは便宜上、この呼び方とする。九点円とはまさしく前述の合計9つの点を通るからである。なお、中接円(オイラー円)の中心は、オイラー線の中点になる。

外接円を中接円に移す、外接円の1/2変換には、次の2種類がある。

() 中心を重心G とする(1/2)変換

三角形の各頂点は各対辺の中点に移され、三角形の垂心Hは外心Oに移される。

() 中心を垂心H とする(1/2)変換

三角形の各頂点は各頂点と垂心を結ぶ線分の中点に移され、三角形の垂心Hは垂心自身に移される。

(3) 中接円

三角形の中接円には次のような特徴がある。

     中接円(オイラー円)の中心は、オイラー線の中点である。すなわち、三角形の外心と垂心を結ぶ線分の中点である。

     三角形の各頂点と垂心を結ぶ3つの線分によって切られる3つの三角形ともとの三角形の中接円は一致する。したがって、3つの三角形の外接円の半径は等しい。

(4) 垂心三角形

鋭角三角形(すべての角が直角より小さい三角形)の各頂点から対辺に下ろした垂線の足を結んでできる三角形を「垂心三角形」(または「垂足三角形」)と呼ぶ。

垂心三角形には次のような面白い特徴がある。

     垂心三角形の内心は、もとの三角形の垂心と一致する。また、もとの三角形の各辺を鏡としたとき、垂心三角形は光線の軌跡になる。

     もとの三角形の1頂点Aを挟む2AB,ACに関する、頂点Aと向かい合う垂心三角形の1頂点Iの対称点I1,I2と、垂心三角形の残りの頂点J,Kは同一直線上にある。

     垂心三角形は、もとの三角形に内接する三角形のうち、周の長さを最小とする唯一の三角形である。

     垂心三角形の各頂点から、もとの三角形の、自分が乗っている辺を除く各辺に下ろした垂線の足(合計6点)は、同一円周上にある。この円を「テイラー円」または「六点円」と呼ぶ。

(5) シムソン線とシュタイナー線

ABCの外接円上の任意の点Pから△ABCの各辺に下ろした垂線の足は同一直線上に並ぶ。この直線を、△ABCに関する点Pの「シムソン線」と呼ぶ。

ABCの外接円上の任意の点P2倍拡大変換の中心とするとき、点Pのシムソン線は、垂心Hを通って、シムソン線に平行な直線に移される。この直線を「シュタイナー線」と呼ぶ。

シムソン線、シュタイナー線には次のような特徴がある。

     垂心をHとするとき、シムソン線はHPの中点を含む。

     Pが△ABCの外接円上を動くとき、HPの中点が描く軌跡は中接円(九点円)となり、シュタイナー線はHを中心に回転し、シムソン線は常にシュタイナー線に平行となる。

     ABCに関する、2P,Qのシムソン線が互いに直交するための必要十分条件は、2P,Qが△ABCの外接円上の対蹠点をなすことである。このとき、2P,Qのシムソン線の交点は、中接円(九点円)上にある。

     円周上の4点のうち、任意の3点で三角形を作るとき、その三角形に関する、残りの1点のシムソン線は合計で4本になる。この4本は1点で交わる。

     放物線が三角形の1辺および他の2辺の延長線に接するなら、この放物線の焦点Fは三角形の外接円上にあり、放物線の準線はFのシュタイナー線である。この逆も成り立つ。

(6) 外心と垂心

三角形の外心と垂心に関して、次のような性質がある。

     異なる2O,Hを外心、垂心に持つ三角形は無数に存在するが、それらはすべて共通の中接円を持つ。

     2O,Hを焦点とし、ある円(後で出て来る三角形の中接円になる)に内接する楕円Eがあるとき、EO,Hをそれぞれ外心、垂心に持つ任意の三角形に内接する。このとき、楕円Eの長半径は中接円の半径になる。

【参考文献】

・イヴォンヌ・ソルテー、ルネ・ソルテー『なぜ初等幾何は美しいか―三角形幾何学―』

戸田アレクシ哲・訳(東京出版)

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